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B.6 取り出せる仕事と不可逆性

内部が熱平衡でない不可逆過程では、熱平衡の可逆過程に比べ膨張過程で取り出せる仕事が小さくなり、圧縮過程で必要な仕事が大きくなる。例えば、等温変化において圧力変化での圧縮や膨張による内部の温度変化が、壁からの伝熱による温度変化よりも早ければ、内部の温度が周囲の等温環境の温度とは異なる。膨張過程では周囲よりも温度が低くなり、周囲と同じ温度の場合よりも圧力が低くなる。そのため取り出せる仕事は小さくなる。圧縮過程では周囲よりも温度が高くなり、周囲と同じ温度の場合よりも圧力が高くなる。そのため必要な仕事が大きくなる。 また、ピストンの移動速度によりやりとりする仕事が変化することも考えられる B.3

不可逆過程ではサイクル内部の流体が可逆過程と同じ仕事のやりとりをしても、外部とやり取りする仕事の大きさが異なる。不可逆損失の多くがピストンの可動壁によるものであり、ピストンの可動壁がなく、系内で局所熱力学的平衡(4.4 $ ^{\text{p.\pageref{sec-LocalThermodynamicEquilibrium}}}$ )が成り立っており十分に小さな系を考えれば、実際の現象においても断熱変化は可逆過程となりうる(系の内部で流れによる粘性消散B.4がある場合は不可逆)。


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