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1.4.7 可逆熱機関(可逆ヒートポンプ)と温度

式(1.36)の$ \phi$ は単一の温度の関数である。この式(1.36)の関係から温度を定義する。次の式のように関数$ \phi$ をそのまま定義したものが熱力学的温度(絶対温度)$ \varTheta$ で単位は[K](ケルビン)である[#!1991NRLM!#]1.20

$\displaystyle \phi(T) = \varTheta
$

また日常使われる摂氏温度$ \theta$ [℃]は国際的にSI(国際単位系)の組立単位として絶対温度$ \varTheta$ [K]により次式で定義されている[#!2006NMIJ!#]。

$\displaystyle \varTheta = \theta + 273.15
$

よって関数$ \phi$ と摂氏温度$ \theta$ [℃]の関係は次式で表される。

$\displaystyle \phi(T) = \theta + 273.15
$

この熱力学的温度で表現すると、温度 $ \varTheta_\mathrm{1}$ [K]と温度 $ \varTheta_\mathrm{2}$ [K]の二つの熱源で動作する可逆熱機関の熱源とやりとりする熱量 $ Q_\mathrm{1}$ [J]と熱量 $ Q_\mathrm{2}$ [J]の関係は次のように熱力学的温度(絶対温度)の比で表される。

$\displaystyle \frac{ \vert Q_\mathrm{2 可} \vert }{ \vert Q_\mathrm{1 可} \vert } = \frac{\varTheta_\mathrm{2}}{\varTheta_\mathrm{1}}$ (1.37)

$ Q_\mathrm{1}$ [J]と $ Q_\mathrm{2}$ [J]は熱機関(ヒートポンプ)に対し入る向きと出る向きと伝わる方向が逆であり、符号が逆となるので絶対値を外して変形し次式となる。

$\displaystyle \frac{ Q_\mathrm{1 可} }{ \varTheta_\mathrm{1} } = - \frac{ Q_\mathrm{2 可} }{\varTheta_\mathrm{2}}$ (1.38)

式(1.14) $ ^{\text{p.\pageref{eq-EfficiencyEngineQ}}}$ と式(1.37)より、温度 $ \varTheta_\mathrm{1}$ [K]の熱源と温度 $ \varTheta_\mathrm{2}$ [K]の熱源( $ \varTheta_\mathrm{1} > \varTheta_\mathrm{2}$ )で動作する可逆熱機関の効率は次式(1.39)で表される。

$\displaystyle \eta_\mathrm{12可} = \frac{ \vert Q_\mathrm{1 可} \vert - \vert...
...{1}} = \frac{\varTheta_\mathrm{1} - \varTheta_\mathrm{2}}{\varTheta_\mathrm{1}}$ (1.39)


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