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ある状況での摩擦力や伝熱量などを知りたい場合には、速度分布や温度分布などを求める必要がある。現象を記述する式(支配方程式)と境界条件・初期条件が分かっていれば、支配方程式を解くことで速度分布や温度分布などを求めることができる。解く方法として解析的に厳密解を求める方法や数値解析による方法がある。
支配方程式が微分方程式である場合、解く際の積分定数を求めるためにそれぞれの変数の微分の階数を足し合わせた数だけ条件が必要である。時間微分の場合は初期条件、位置での微分であれば境界条件と呼ばれる。
一つの例として、1次元の熱伝導の定常の現象の厳密解を求めてみよう。この時、支配方程式は以下の1次元の熱伝導方程式となる。
を境界とし、境界条件を以下の2条件とする。
式(1.1)を
で積分して、
0 |
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0 |
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さらに
で積分すると、
0 |
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0 |
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境界条件より、
と
となる。よって、温度は次の関数となる。
この温度分布から、熱流束
はフーリエの法則より上式を
で微分し次のように求められる。
このように厳密解を求めることができる場合もあるが、多くの場合、支配方程式と条件から厳密解を求めることは難しい。そこで数値計算では、計算対象を細かな領域に分割して支配方程式をコンピュータの計算できる加減乗除の式(離散化方程式)にする離散化をおこない、温度分布や速度分布の連続的な値を求めれるのではなく、分割した不連続な点(離散点)における値を求める。
離散化では、対象を分けた不連続な点ごとの求めたい値(速度・温度など)の数と同じ数の方程式(離散化方程式)を立て、連立させ解くことにより、それぞれの点での値を求める。離散化した領域(非定常では時間も)に支配方程式と境界条件・初期条件を対応させ、簡単な代数方程式で離散化方程式として表す。
数値計算の流れは以下の通りである。
- 求めたい現象の支配方程式と境界条件、初期条件を求める
- 離散化する(離散化した領域と時間に対応した支配方程式・境界条件・初期条件を求める)
- 離散化方程式(連立方程式)を解く
これ以降では求める値として圧力・速度・温度・濃度を、支配方程式(保存式)は以下の式を考えていく。
- 質量保存式
-
- 運動量保存式
- 速度の計算
- エネルギー保存式
- 温度の計算
- 化学種保存式
- 濃度(質量分率・モル分率)の計算
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