解答

  1. エントロピーの変化は式(32) $^{\text{p.\pageref{eq-EntropyDelta}}}$により表されるので熱が奪われる物体Aのエントロピー変化 $\Delta S_{\rm A}$は次式で表される。

    $\displaystyle \Delta S_{\rm A} = \dfrac{-Q}{\varTheta_{\rm A}}
$

    熱が与えられる物体Bでは次式となる。

    $\displaystyle \Delta S_{\rm B} = \dfrac{Q}{\varTheta_{\rm B}}
$

    全体のエントロピーの変化 $\Delta S_{\rm total}$は物体Aと物体Bの変化を足せばよいので次式となる。

    $\displaystyle \Delta S_{\rm total} = \Delta S_{\rm A} + \Delta S_{\rm B} = \dfrac{-Q}{\varTheta_{\rm A}} + \dfrac{Q}{\varTheta_{\rm B}}
$

    ここで、熱は温度の高い物体から低い物体に伝わるので $\varTheta_{\rm A} > \varTheta_{\rm B}$となる。このことと上式より次の関係が成り立つ。

    $\displaystyle \Delta S_{\rm total} = \dfrac{-Q}{\varTheta_{\rm A}} + \dfrac{Q}{\varTheta_{\rm B}} > 0
$

    以上のように、通常の熱が伝わる不可逆過程では全体のエントロピーは増加する。

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