同じように体積の増える過程の断熱膨張過程と比較する(図B.3)。 [m ]は増加する。断熱膨張では仕事を周囲にすることで内部エネルギー [J]が減少し温度が下がる。自由膨張過程では、周囲と熱のやり取りがなく仕事も作用しないため、内部エネルギー [J]は変化しない。断熱膨張で周囲に作用していた仕事は、自由膨張過程では運動エネルギーとなる。その後、運動エネルギーから渦となり粘性消散か、細管内で管壁と流体の摩擦で運動エネルギーから熱に変換される。熱に変換されたエネルギーは内部エネルギーとなるため、過程の前後で内部エネルギーは変化しない。
仕事から熱へは変換できるが、一つの熱源において熱から仕事への変換は不可能(熱力学第二法則 トムソンの原理 1.3節 p. )なので不可逆の過程である。