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B.2 自由膨張過程

1.4.4節 p. [*]での過程とは別に必ず不可逆となる自由膨張過程がある。自由膨張過程では熱のやり取りも仕事の作用もない。

同じように体積の増える過程の断熱膨張過程と比較する(図B.3)。$ V$ [m$ ^3$ ]は増加する。断熱膨張では仕事を周囲にすることで内部エネルギー$ U$ [J]が減少し温度が下がる。自由膨張過程では、周囲と熱のやり取りがなく仕事も作用しないため、内部エネルギー$ U$ [J]は変化しない。断熱膨張で周囲に作用していた仕事は、自由膨張過程では運動エネルギーとなる。その後、運動エネルギーから渦となり粘性消散か、細管内で管壁と流体の摩擦で運動エネルギーから熱に変換される。熱に変換されたエネルギーは内部エネルギーとなるため、過程の前後で内部エネルギーは変化しない。

仕事から熱へは変換できるが、一つの熱源において熱から仕事への変換は不可能(熱力学第二法則 トムソンの原理 1.3節 p. [*])なので不可逆の過程である。

図 B.3: 自由膨張過程
\includegraphics[width=120mm]{figures/ClosedSystemProcessesFreeexpansion.eps}


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