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1.2.4 発熱

仕事が熱に変化する。 1.2.1節で示した系の内部が動くことによる仕事が閉じた系にされた場合、全て熱となり、系は同量の熱が伝わった後と同じ状態となる。 羽根車の実験では全ての仕事が熱に変化した。 ある形態のエネルギーが熱に変換されることを発熱と呼び、不可逆な過程である。一様な温度のなかでも仕事が熱に変換されることがある。摩擦では異なる速度で運動している物体が接触した際に、互いに仕事が作用し速度が変わる。その仕事の一部が熱となり、物体の内部エネルギーが高くなり温度が上昇する現象が摩擦である。また、水槽中の水をかき混ぜると、水の運動エネルギーが粘性によって熱に変換され、時間が経つと水槽の水は停止する。その際、運動エネルギーは熱に変換され、水の内部エネルギーが高くなり温度が上昇する。電気が流れる際にも電気抵抗のため電気エネルギーが熱に変換され、電気を流れている伝導体の内部エネルギーが高くなり温度が上昇する。このように他の形態のエネルギーが熱に変換され、物体の内部エネルギーが高くなり温度が上昇する(式(1.7) $ ^{\text{p.\pageref{eq-InternalTemperatureDelta}}}$ )過程を発熱と呼ぶ。 系が仕事をされ可逆過程で圧縮され、仕事が直接内部エネルギーに変換された過程では温度が上昇するが可逆過程であり発熱とは呼ばない。


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