不可逆な現象と可逆な現象の例をあげる。
不可逆な現象が現実の現象で、現実の現象は全て不可逆である。例として次のようなものがある。
水に砂糖を混ぜる。
コーヒーにミルクを混ぜる。
熱いお茶が冷える。
金属の弾性変形。バネに初速度を与えて縮んだ後に元の位置に戻っても、与えた速度よりも遅い速度となっている。金属の変形時や空気中であれば空気抵抗により熱が発生するため運動エネルギーが減少する。
コンピュータ上でのデータの取り扱い。ファイルの可逆圧縮などデータの変化のみを見ると可逆であるかのように思えるが、コンピュータを含めた現象としてはCPUが電気を消費し発熱してデータの処理をしている。この逆の現象としてはCPUが熱を周囲から奪い発電し逆のデータ処理をすることになる。このような現象は起こり得ないため、不可逆である。
可逆な現象は現実には存在しない。理想的な仮定を置いた条件でのみ可逆な現象を考えることができる。
空気抵抗がないとし完全弾性で剛体球を壁にぶつける。
何も損失のない空間で太陽の周りを地球が回る。実際には宇宙空間にも薄い密度ながら気体や隕石のような固体が存在するため、地球の公転速度はどんどん遅くなっている。
全ての波長の光を完全に反射する事の出来る鏡での光の反射。