と表す。この項を非定常項と呼び、増加するとコントロールボリューム内の保存量が増加し、運動量であれば、速度が速くなる。
例として図2.2のような排出口のある水槽をコントロールボリュームとして、考えてみる。
支配方程式をたてる対象の物理量を水の体積[m ]とする。"コントロールボリューム内に持っている物理量の時間変化"は水槽に溜まっている水の量 [m ]の時間変化 [m /s]で表される(ここで [s]は時間)。式(2.1)における"時間あたりに境界面でコントロールボリュームに出入りする物理量"は水槽に入る水と出る水の差なので [m /s]で表される。水槽の中での水の生成や消滅は考えないので、この水槽をコントロールボリュームとした水の体積に対する支配方程式は次の式で表される。
他の例として、物理量が運動量で左辺が正の値(物理量が増加する)であれば、コントロールボリュームでの速度が増加する。物理量がエネルギーであれば、コントロールボリュームでの温度が上昇する。流入量と流出量が等しければ、右辺の合計はゼロとなり、水の体積の時間変化がなくなる。この時、時間に対して変化せず定常状態となる。