<戻る: 2 具体的な例>
<次へ: 4 熱も状態量ではない>
前節のように経路が単純な過程の組み合わせでない場合には、経路全体を積分し仕事を求める。積分するには経路を指定した経路積分が必要であり、計算の際には媒介変数が用いられる。
媒介変数として時間
1s (単位:無次元)
[s]
を取り具体的な計算をしてみる。
体積
は次式のように初め3.0
10
m
(3.0 リットル)で1 s毎に0.1
10
m
圧縮される。
圧力
は1.0
10
Pa(約一気圧)から次式脚注4のように増えていくとする。
式(11)に示すように
は
のみの一変数関数として表されている。
の
での微分を求める。
仕事の微小量を求める式(10)に式(12)と式(13)を代入して0 sから
f
まで経路積分をする。経路中にされた仕事を求めたいので、0 sでの仕事は0 Jである。
この変化を前節と同じように図2に表す。状態の変化に対して仕事が線で表される。
脚注4 二原子分子の理想気体が可逆断熱変化したと仮定し、「
一定」の関係を用いる。
<戻る: 2 具体的な例>
<次へ: 4 熱も状態量ではない>
この図を含む文章の著作権は椿耕太郎にあり、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に公開する。最新版およびpdf版はhttp://camelllia.netで公開している。