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熱は熱力学の第一法則に示されるように状態量である内部エネルギーの差から状態量でない仕事を引いた値であるから、仕事と同様に状態量ではない脚注5。
仕事が状態量であるとサイクルで元の状態に戻ると差が0とならなくてはならない。周囲にした仕事と、周囲からされた仕事が等しいと言うことなので正味の仕事は0 Jとなり、正味の仕事を取り出す熱機関のサイクルをつくることは出来ないことになる。現実には仕事は状態量ではないので、熱機関となるサイクルが存在している。
脚注5
もし熱が状態量であれば、状態量である内部エネルギーから状態量であるとする熱の差で求められる仕事も状態量でなくてはならない。仕事は状態量ではないので、熱も状態量ではあり得ない。
1.
小形正男, キーポイント多変数の微分積分, 岩波書店, 1996.
2.
黒田成俊, 微分積分, 共立出版, 2002.
3.
新井仁之, 微分積分の世界, 日本評論社, 2006.
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