図B.3に示すように、一つの熱源から仕事を取り出すトムソンの表現に反する装置(反トムソンサイクル)とヒートポンプの組み合わせで一サイクル(一周期)運転した際のエネルギーの移動を考える。この時、反トムソンサイクルとヒートポンプをまとめて一つの装置として考える(図中黄色線)と、仕事は反トムソンサイクルからヒートポンプになされ、外部に影響を与えていない。ヒートポンプと反トムソンサイクルは一サイクルで元の状態に戻る。全体としては、ある温度からそれより高い温度へ熱を移すだけで、他に何の結果も残さないことになるため、クラウジウスの表現に反する。
次に図B.4クラウジウスの表現に反する装置(反クラウジウスサイクル)と熱サイクルとの組み合わせで一サイクル(一周期)運転した際のエネルギーの移動を考える。高温熱源側では反クラウジウスサイクルから熱機関に同量の熱を渡し外部に影響を与えていなければ、高温熱源も含めて一つの装置として考えられる(図中黄色線)。高温熱源では同量の熱をやりとりしており変化はなく、また反クラウジウスサイクルと熱機関は一サイクルで元の状態に戻るため運転前の状態と変化がない。全体では一つの熱源(低温熱源)のみから熱を取り出して、仕事に変換し他に何の結果も残さないことになるため、トムソンの表現に反する。
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