熱源と冷媒の熱交換

冷媒高温部と冷媒低温部では冷媒と熱源で熱交換する。冷媒高温部では冷媒が高温熱源よりも温度が高く、冷媒から高温熱源へ熱が伝わる。エアコンの冷房では室外機にあり冷媒から外気に熱を伝える。冷媒低温部では低温熱源よりも冷媒の温度が低く、低温熱源から冷媒へ熱が伝わる。エアコンの冷房では室内機にあり室内の空気を冷やし冷媒が熱を受け取る。 冷媒高温部ではエネルギー輸送に冷媒の潜熱を利用するため冷媒が凝縮(気体から液体へと相変化)し、高温熱源と熱交換をするため、高温側の熱交換器は凝縮器と呼ばれる。 冷媒低温部では冷媒が蒸発(液体から気体へと相変化)し、低温熱源と熱交換をするため、熱交換器は蒸発器と呼ばれる。

熱交換器で冷媒を相変化(沸騰・凝縮)させることで三つの利点が得られる。高い熱伝達率が得られることと、大きな内部エネルギーの変化(潜熱)により大量のエネルギーが輸送できること、冷媒の温度変化が小さいため大きな温度差を維持できることである。

少ない温度差で熱源と冷媒の間で熱を伝えるためには、冷媒と熱源で熱伝達率を高くするとよい。相変化を伴う伝熱(沸騰・凝縮)は熱伝達率が非常に高いため、冷媒は加熱される冷媒低温部では沸騰(蒸発)し、冷却される冷媒高温部では凝縮するように用いられる。 空気が受け取る伝熱量$\varPhi$ [W] は伝熱面積$A$ [m$^2$] を一定とすれば、冷媒側の熱伝達率 $h_$冷媒 [W/(m K)] 、空気側の熱伝達率 $h_$空気 [W/(m K)] 、熱交換器で空気と冷媒を隔てている素材の厚さ$l$ [m] と熱伝導率$k$ [W/(m$^2$ K)] により次式のように求められる。

$\displaystyle \varPhi = \frac{A}{\dfrac{1}{h_\text{冷媒}} + \dfrac{l}{k} + \dfrac{1}{h_\text{空気}}}(T_\text{冷媒} - T_\text{空気})$ (1)

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