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自然対数の底
の定義を確認する。自然対数の底である
は、微分しても元の関数と同じ形になる次式が成り立つ定数
を
としている。
式(15)の左辺を微分の定義に沿って計算する。
定式から式(15)が成り立つには次式(16)の関係が成り立てば良い。この次式(16)を変形し
の値を求める。
上式(17)の条件を満たす定数
が
である。
の式として再度示す。
上式で
(
)とすれば次のようにも表される。
に対する
のグラフを図13に示す。グラフの範囲では
が大きくなると2.7より少し上に収束するように見える。
図 13:
の収束
|
式(18)が収束するか確認する。そのために数列
の極限を求める。この極限が収束すれば式(18)も収束する。
上式(19)より
の各項は
と共に単調に増加し、全ての項が正であるので、
は単調に増加する。次に
が上に有界であることを示す。
式(19)で
、
、・・・、
、・・・、
と掛けあわせている
、
、・・・、
、・・・、
の
のような各括弧内は1から1よりも小さい正数を引いているので1以下の値となる。この1以下の値を掛けているのでため、各項の値はそれぞれ
、
、・・・、
、・・・、
よりも小さい。各項の和である
も
、
、・・・、
、・・・、
の和よりも小さくなるため次のように書ける。
、
、
であるので、その逆数の関係と式(20)より次式が成り立つ。
以上より
が上に有界であると示すことが出来た。
は単調に増加し上に有界であるので、極限はある値に収束する。よって式(18)で表される
も収束する。
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