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A..4 指数関数の例

対数は一定数増えていく"+"の現象ではなく、ある倍数で増えていく"×"の現象を考える際に便利である。例えば池の中のプランクトンが一日で二倍に増える時の数は指数関数で次のような式で表される。 プランクトンの一日経過後の関係は次式となる。

  (プランクトンの数2日目)$\displaystyle =$   (プランクトンの数1日目)$\displaystyle \times 2$    

定式から経過日数とプランクトンの関係は次のように指数関数となる。

  (プランクトンの数)$\displaystyle =$   (プランクトンの数1日目)$\displaystyle \times 2^$日数    

銀行のお金がある金利で増える時の額の一年経過後の関係は以下のとおりである。

  (次年の額)$\displaystyle =$   (今年の額)$\displaystyle \times \left(1 + \frac{\text{金利}}{100} \right)$    

現在の額と年数の関係は次のような指数関数となる。

  (現在の額)$\displaystyle =$   (元金)$\displaystyle \times \left(1 + \frac{\text{金利}}{100} \right)^\text{年数}$    

自分の祖先の数は同様に次の関係となる。

  (おじいちゃん・おばあちゃんの人数)$\displaystyle =$   (お父さん・お母さんの人数)$\displaystyle \times 2$    
  (祖先の人数)$\displaystyle = 2^$    

ここでは祖先の数と代の関係が指数関数となっている。

元金10 000円で年利1%で貯金したとき20 000円になるには何年かかるかを対数で計算できる。$ n$ 年かかるとすると次式で表される。

$\displaystyle 10 000 \times 1.01^n$ $\displaystyle = 20 000$    
$\displaystyle 1.01^n$ $\displaystyle = 2$    

両辺を1.01が底の対数をとる。

$\displaystyle \log_{1.01} 1.01^n$ $\displaystyle = \log_{1.01} 2$    
$\displaystyle n$ $\displaystyle \simeq 69.66$    

計算機で $ \log_{1.01}2$ の計算をすれば、約70年で二倍となることがわかる。また、2.1.2節で述べたように片対数グラフ上では直線として描かれる。

対数については「指数・対数のはなし?異世界数学への旅案内」[1]を読むことをお勧めする。対数のおもしろさを知ることができる。


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対数グラフ 2020.03.25版




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