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2.1.2 線形-対数 片対数グラフ

$ y$ 軸が対数の片対数グラフでは図8のようになる。
図 8: 片対数グラフ
\includegraphics[width=80mm]{figures/GraphDouble-io.eps}

線形の式(2)を変形する。$ y = 10 ^Y$ を代入し、両辺の10の対数を取る。

$\displaystyle y$ $\displaystyle = 90 x + 500$    
$\displaystyle 10 ^Y$ $\displaystyle = 90 x + 500$    
$\displaystyle \log_{10} 10 ^Y$ $\displaystyle = \log_{10} (90x + 500)$    
$\displaystyle Y$ $\displaystyle = \log_{10} 90 + \log_{10} (x + 500/90)$    
$\displaystyle Y$ $\displaystyle \simeq 1.954 + \log_{10} (x + 5.556)$    

$ Y$ $ x$ は対数関数に近い形となり、図8の線形関数を表す黒線は線形-線形グラフ(図7)の対数関数(緑線)と近い上に凸の曲線になっている。

べき関数の式(3)を変形する。$ y = 10 ^Y$ を代入し、両辺の10の対数を取る。

$\displaystyle y$ $\displaystyle = 0.8 x ^2$    
$\displaystyle 10 ^Y$ $\displaystyle = 0.8 x ^2$    
$\displaystyle Y$ $\displaystyle = 2 \log_{10} \vert x\vert + \log_{10} 0.8$    
$\displaystyle Y$ $\displaystyle \simeq 2 \log_{10} \vert x\vert - 0.09691$    

$ Y$ $ x$ は対数関数となり、図8のべき関数を表す赤線は線形-線形グラフ(図7)の対数関数(緑線)と近い上に凸の曲線になっている。

指数関数の式(4)を変形する。$ y = 10 ^Y$ を代入し、両辺の10の対数を取る。

$\displaystyle y$ $\displaystyle = 0.9 \times 1.1^x$    
$\displaystyle 10 ^Y$ $\displaystyle = 0.9 \times 1.1^x$    
$\displaystyle Y$ $\displaystyle = x \log_{10} 1.1 + \log_{10} 0.9$    
$\displaystyle Y$ $\displaystyle \simeq 4.139 \times 10^{-2} x - 0.04575$    

$ Y$ $ x$ が線形の式となっているので、図8の指数関数を表す青線は直線となっている。縦軸は対数であるので、10倍になると$ Y$ が1増加する。変換後の式から、$ x$ が100増加すると、 $ Y(=log_{10}y)$ は4.139増加することが分かり、グラフでも、$ x$ が100増加すると、 $ Y(=log_{10}y)$ は4.139増加していることが分かる。定数$ a$ $ b$ で表した指数関数の同様な変形は次式のようになる。

$\displaystyle y$ $\displaystyle = a b^x$    
$\displaystyle 10 ^Y$ $\displaystyle = a b^x$    
$\displaystyle Y$ $\displaystyle = \log_{10} a + x \log_{10} b$    

グラフから読みとれる傾きが $ \log_{10} b$ 、切片が $ \log_{10} a$ である。このことから読みとった傾きと切片から元の関数の$ a$ $ b$ を求めることが出来る。

対数関数の式(5)を変形する。$ y = 10 ^Y$ を代入し、両辺の10の対数を取る。

$\displaystyle y$ $\displaystyle = 2000 \log_{e}x +1000$    
$\displaystyle 10 ^Y$ $\displaystyle = 2000 \log_{e}x +1000$    
$\displaystyle Y$ $\displaystyle = 3 \log_{10} 2 + \log_{10} (\log_{e} x +1/2)$    
$\displaystyle Y$ $\displaystyle \simeq 0.9031 + \log_{10} (\log_{e} x + 0.5000)$    

8に示すように対数関数を表す緑線は凸の曲線となる。


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