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A..1 詳細な計算
「1 対数グラフと線形グラフの性質」で示した以下のそれぞれの関数についての計算の詳細を示す。
線形関数 |
|
(1) |
指数関数 |
|
(2) |
対数関数 |
|
(3) |
べき関数 |
|
(4) |
対数軸では値の
、
に対して10の対数を取った次式で表される
、
との関係が表される。
上式を変形する。
この関係を対数軸をとる変数へ代入し、対数軸では
、
、通常の軸では
、
との関係を見ればどのような形のグラフとなるか分かる。
式(1)~式(4)の関数のそれぞれのグラフへの対応を見ていく。
対数軸がない通常の線形グラフでは図14に示すように黒線の線形関数(式(1))は直線に、青線の指数関数(式(2))は下に凸の曲線に、緑線の対数関数(式(3))は上に凸の曲線に、赤線のべき関数(式(4))は
に対して対称な下に凸の曲線になる。対数
はゼロ以下の値には使えないため、対数関数は
が正の領域のみ曲線が描かれる。
A..1.2 線形-対数 片対数グラフ
軸が対数の片対数グラフでは式(1)~式(4)の関数は図15のように描かれる。
線形関数の式(1)を変形する。
を代入し、両辺の10の対数を取る。
と
は対数関数に近い形となり、図15の線形関数を表す黒線は線形-線形グラフ(図14)の対数関数(緑線)と近い上に凸の曲線になっている。
指数関数の式(2)を変形する。
を代入し、両辺の10の対数を取る。
と
が線形の式となっているので、図15の指数関数を表す青線は直線となっている。縦軸は対数であるので、10倍になると
が1増加する。変換後の式から、
が100増加すると、
は4.139増加することが分かり、グラフ(図15)でも、
が100増加すると、
は4.139増加している。定数
、
で表した指数関数の同様な変形は次式のようになる。
グラフから読みとれる傾きが
、切片が
である(表1)。このことから読みとった傾きと切片から元の関数の
と
を求めることが出来る。
対数関数の式(3)を変形する。
を代入し、両辺の10の対数を取る。
図15に示すように対数関数を表す緑線は上に凸の曲線となる。
べき関数の式(4)を変形する。
を代入し、両辺の10の対数を取る。
と
は対数関数となり、図15のべき関数を表す赤線は線形-線形グラフ(図14)の対数関数(緑線)と近い上に凸の曲線になっている。
軸が対数となる片対数グラフでは式(1)~式(4)の関数は図16のように描かれる。
線形関数の式(1)を変形する。
を代入し変形する。
と
は指数関数に近い形となり、図16の線形関数を表す黒線は線形-線形グラフ(図14)の指数関数(青線)と近い下に凸の曲線になっている。
指数関数の式(2)を変形する。
を代入し変形する。
と
は指数関数となり、図16の指数関数を表す青線は線形-線形グラフ(図14)の指数関数(青線)と近い下に凸の曲線になっている。
対数関数の式(3)を変形する。
を代入し変形する。
と
は線形関数となり、図16では対数関数を表す緑線は直線として描かれる。定数
、
で表される対数関数を同様に変形する。
このようにグラフの傾きが
、切片がbとなる(表1)。グラフから読みとった傾きと切片から元の関数の
と
を求めることができる。
べき関数の式(4)を変形する。
を代入し変形する。
と
は指数関数となり、図16のべき関数を表す赤線は線形-線形グラフ(図14)の指数関数(青線)と近い下に凸の曲線になっている。
軸、
軸共に対数となる両対数グラフでは式(1)~式(4)の関数は図17のように描かれる。
線形関数の式(1)を変形する。
を代入し、両辺の10の対数を取る。
図17で線形関数は黒線に示すようにやや下に凸の曲線になっている。
指数関数の式(2)を変形する。
を代入し、両辺の10の対数を取る。
と
は指数関数に近い形となり、図17の指数関数を表す青線は線形-線形グラフ(図14)の指数関数(青線)と近い下に凸の曲線になっている。
対数関数の式(3)を変形する。
を代入し、両辺の10の対数を取る。
と
は対数関数に近い形となり、図17の対数関数を表す緑線は線形-線形グラフ(図14)の対数関数(緑線)と近い下に凸の曲線になっている。
べき関数の式(4)を変形する。
を代入し、両辺の10の対数を取る。
と
は線形関数となり、図17でべき関数は赤線に示すように直線で描かれる。定数
、
で表したべき関数を同様に変形する。
グラフの傾きが
、切片が
となる(表1)。この読みとった傾きと切片から元の関数の
と
が計算できる。
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