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熱と仕事がエネルギーであり保存されることを熱力学第一法則(1.2節 p. )とし、熱の伝わりや発熱は不可逆であることを第二法則(1.3節 p. )として基本の法則とする。この仮定から、可逆サイクル(カルノーサイクル)には次の特徴があることを示した。
- 同じ二つの熱源で動作する可逆サイクルは常に同じ効率となる - 1.5.1節 p.
- 可逆サイクルの効率は熱機関としてもヒートポンプとしても必ず不可逆サイクルよりも高い - 1.5.2節 p.
- 可逆サイクルの高温熱源と低温熱源とやりとりする熱の大きさの比は、熱源の熱力学的温度の比となる - 1.5.3節 p.
- 可逆サイクルは、準静等温過程→可逆断熱過程→準静等温過程→可逆断熱過程で構成される - 1.6.2節 p.
以上から、発電所のように2つの熱源(火力発電所であれば燃料の燃焼温度と大気や海水の温度)で動作するサイクル(熱機関)の最高の効率は可逆サイクルの効率であり、その効率は熱源の温度により決まる。熱機関においては、2つの熱源の温度で決まる効率を超えて熱源から仕事を取り出すことはできない。
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