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1.4.7 可逆熱機関(可逆ヒートポンプ)と温度

式(1.31)の$ \phi$ は単一の温度の関数である。この式(1.31)の関係から温度を定義する。次の式のように関数$ \phi$ をそのまま定義したものが熱力学的温度(絶対温度)$ \varTheta$ で単位は[K](ケルビン)である[2]1.18

$\displaystyle \phi(T) = \varTheta
$

また日常使われる摂氏温度$ \theta$ [℃]は国際的にSI(国際単位系)の組立単位として絶対温度$ \varTheta$ [K]により次式で定義されている[3]。

$\displaystyle \varTheta = \theta + 273.15
$

よって関数$ \phi$ と摂氏温度$ \theta$ [℃]の関係は次式で表される。

$\displaystyle \phi(T) = \theta + 273.15
$

この熱力学的温度で表現すると、温度 $ \varTheta_$1 [K]と温度 $ \varTheta_$2 [K]の二つの熱源で動作する可逆熱機関の熱源とやりとりする熱量 $ Q_$1 [J]と熱量 $ Q_$2 [J]の関係は次のように熱力学的温度(絶対温度)の比で表される。

$\displaystyle \frac{ \vert Q_\text{2 可} \vert }{ \vert Q_\text{1 可} \vert } = \frac{\varTheta_\text{2}}{\varTheta_\text{1}}$ (1.32)

$ Q_$1 [J]と $ Q_$2 [J]は熱機関(ヒートポンプ)に対し入る向きと出る向きと伝わる方向が逆であり、符号が逆となるので絶対値を外して変形し次式となる。

$\displaystyle \frac{ Q_\text{1 可} }{ \varTheta_\text{1} } = - \frac{ Q_\text{2 可} }{\varTheta_\text{2}}$ (1.33)

式(1.10) $ ^{\text{p.\pageref{eq-EfficiencyEngineQ}}}$ と式(1.32)より、温度 $ \varTheta_$1 [K]の熱源と温度 $ \varTheta_$2 [K]の熱源( $ \varTheta_$1$ > \varTheta_$2 )で動作する可逆熱機関の効率は次式(1.34)で表される。

$\displaystyle \epsilon_$12可$\displaystyle = \frac{ \vert Q_\text{1 可} \vert - \vert Q_\text{2 可} \vert ...
..._\text{1}} = \frac{\varTheta_\text{1} - \varTheta_\text{2}}{\varTheta_\text{1}}$ (1.34)


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