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2.4 エネルギー保存

保存の対象として以下のエネルギーを考える。ここで$ m$ [kg]は保存対象の質量、$ v$ [m/s]は速度、$ g$ [m/s$ ^2$ ]は重力加速度、$ h$ [m]は基準からの高さ、$ c_v$ [J/(K$ \cdot$ kg)]は定積比熱、$ T$ [K]は温度である。流体は等方的でかつ密度以外の物性値など(重力加速度$ \bm{g}$ [m/s$ ^2$ ]、定積比熱$ c_v$ [J/(K$ \cdot$ kg)]、熱伝導率$ k$ [W/(K$ \cdot$ m)]、粘性係数$ \mu$ [Pa$ \cdot$ s])は一定であると仮定する。

閉じた系では内部エネルギー$ U$ [J]のみを考慮し、エネルギーの保存は熱力学の第一法則より

$\displaystyle \Delta U = Q + W
$

ここで、$ \Delta U$ [J]は系の保有する内部エネルギーの変化量、$ Q$ [J]は熱、$ W$ [J]は仕事である。この系の内部エネルギーの時間変化量は、時間あたりに伝わる熱$ \dot{Q}$ [W]と時間あたりの仕事$ \dot{W}$ [W]で次のように表される。

$\displaystyle \frac{\partial U}{\partial t} = \dot{Q} + \dot{W}$ (2.87)

今は開いた系(流れ系)を考えているので、上式(2.88)の左辺の全エネルギー(運動・位置・内部エネルギー)の時間変化と右辺の“時間あたりに伝わる熱”、“時間あたりの仕事”に右辺の対流により運ばれる運動・位置・内部エネルギーが加えられる。“時間あたりに伝わる熱”が式(2.8)における“拡散による出入”、“時間あたりの仕事”が“その他の出入"となる。このことから、エネルギー方程式は次のように書ける。

$\displaystyle \frac{\partial 持っている全エネルギー}{\partial t} = 対流による$ $\displaystyle 全エネルギーの出入 + 時間あたりに伝わる熱$    
  $\displaystyle + 時間あたりの仕事 + 生成エネルギー$ (2.88)

式(2.89)の各項について考えていく。その際、界面エネルギーと潜熱、生成エネルギーは考慮しない。



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